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友人からもらったコロッケの味が忘れられないから

友人からもらったコロッケの味が忘れられないから

「お母さんってコロッケ好きだよね」


私がコロッケを作るのを見ていた娘が言った言葉だった。


娘は「だってよくコロッケ作るじゃん」とも言った。


特別好きだと思った事はないけれど、コロッケをよく作る理由に思い当たるフシがあった。


あれは40年以上前の、私が学生だった頃の話。


40年前、私の家はみんなと同じく貧乏だった。


みんなと同じと言ったのは、あの時代は多くの家が貧乏だったので、ことさら格差が激しいなんて時代でもなかったという意味。


高校生だった私は母の弁当を持って毎日学校に通っていた。


お昼になってお弁当箱を開けると、弁当箱の8割を占める白米とおかず一品。


これでも今日はまだ良い方だった。
白米だけなんていう日もあるのだから。


一緒にご飯を食べている友人のお弁当箱はというと、おかずがぎっしりと詰まっていた


でも、この友人は特別に裕福な家というわけでもなかった。


ただ、友人のお母さんは料理上手で、家の隅でお惣菜を売っているほどの人だった。


友人のお弁当箱に入っているのは、昨日の売れ残りだという。


「またコロッケが入ってる。もう3日連続で入ってるよ。」


友人は朝昼晩とお母さんが売っているコロッケの残りを食べているので、当然飽きたと言っている。


今でこそ三食同じ物を食べる辛さはわかるが、当時の私には友人がとんでもない贅沢を言っているようにしか聞こえなかった。


あの頃は、家で揚げ物が手軽に出来る時代ではなかったので、コロッケは高級品。


高級品を前に私は物欲しそうな顔をしていたのかもしれない。


それを察した友人が私にこう言った。


「コロッケ食べる?」


私は喜んでもらった。


あの時食べたコロッケは、特別サクサクしている訳ではなかった。


でも、私が18年間生きてきた中で3本指に入るほど美味しかった。


あのコロッケの感動は未だに覚えている。



「お母さんってコロッケ好きだよね」


娘にそう言われた私はこう返した。


「そうね。昔はあまり食べられなかったもんだからね」


とっさに返した言葉だけど偽りはなく、コロッケが高級品で食べられなかった頃の反動は少なからずあると思う。


ただ、あの友だちにもらったコロッケの味の感動が忘れられないというのが本心なのかもしれない。


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